特定複合観光施設区域整備法案

日本の国会
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カジノ法案で最近あった大きな動きと言えばやはり、2018年4月27日、閣議決定されたばかりの「特定複合観光施設区域整備法案」。この内容についてご紹介していきましょう。

まず、重要な要点だけをピックアップし、簡単にご紹介いたします。

・カジノ施設の規模
IR施設の延べ床面積の3%以下とする。

・入場回数制限と確認手段
入場回数の制限は「7日間に3回」と「28日間に10回」の2制限。本人、入場回数確認手段は「マイナンバーカード」で行う。

・入場料
6000円とする。

・納付金率
30%の定率。

・IR区域の認定数
スタートは3か所。

「延べ床面積の規制」は、一見「なぜそんなことを?」と思われがちですが、これは「入場回数制限」と同様に、ギャンブル依存を防止するための決定事項のひとつといえます。

「3%」と聞くと、なんだか小さく感じるかもしれませんが、世界最大のカジノリゾートである「ザ・ヴェネチアン・マカオ」を例に挙げると、ザ・ヴェネチアンのカジノは全ての述べ床面積の内、カジノが占める面積は『3.5%』。こう考えてみると決して『3%』の規制がキツすぎるとは感じません。

もうひとつ気になるのは「入場料」の部分。6000円という金額は「日本人及び日本に居住する外国人のみ」に適用される金額であり、訪日外国人は「無料」となります。この点も「ギャンブル依存」を防止するために国内在住者は入場料金設定しています。

この自国民がカジノへ入場する際に一定の制限を与える形態を「シンガポール式」と呼び、元となったシンガポールにおいても、シンガポール国籍の場合8000~9000円の入場料を徴収しています。

最後に触れておきたいのが「IR認定地域」の箇所について。3か所というのはあくまで「スタート時に認定される箇所」であり、恒常的なものではありません。IRが本格スタートした7年後を目途にして、認定地域数の見直しを行うとしています。

もう一つの重要な問題は急速に成長しているオンラインカジノ業界です。 地方自治体は、ビデオスロットをプレイする人々にどのように対処するのかわからない。

カジノ法案の成立を目指す安倍首相からも「世界最高水準のカジノ規制によって、様々な懸念に万全の対策を講じていく」との発言が出ているように、切っても切り離せないのが切っても切り離せないのが「ギャンブル依存症」や「反社会的組織の不介入」といった部分への配慮。大きな焦点はこういったところでしょう。